予兆は既に数例発生している。本稿執筆中の7月22日、多くのDCが集積する米国バージニア州北部の送電線故障を起因に、複数のDCが連鎖的に系統離脱しバックアップ電源に切り替わり、PJM管内で過去最大の約380万キロワット(総需要の約3%)の負荷脱落となった。PJM管内で広域的な電圧・周波数変動が生じ、系統安定化に10分程度を要している。
米国では大規模負荷にNERC(北米電力信頼度協議会)への登録を求め、電圧や周波数の一定範囲の変動に対し系統連系維持能力を求める動きがある。大規模負荷脱落(周波数上昇)に対する瞬時調整力の確保など、新たな運用規程が必要と思われる。大規模な計算負荷は単なる電力系統に接続する需要ではなく、積極的な信頼性への参加者になりつつある。
現状、系統運用者はDCの電力需要面の運用状況は想定できず、DC事業者は系統運用上の課題は分かりにくい。DC事業者と系統運用者など一般送配電事業者が、お互いのニーズや課題意識、運用の考え方を理解し、電力の安定供給とデジタル成長を両立させる解決策を見出していく必要がある。電力中央研究所としても貢献してまいりたい。
電気新聞2026年9月7日






