中国の大亜湾原子力発電所(写真はウィキペディアコモンズより)
中国の大亜湾原子力発電所(写真はウィキペディアコモンズより)

 日本原子力産業協会が4月11日に刊行した「世界の原子力発電開発動向(2019年版)」によると、中国で運転中の原子力発電所は今年1月1日時点で44基・4463万キロワットに達し、出力規模で初めて世界3位となった。18年中に7基・884万キロワットが運開。3種類の新しい炉型(ACPR1000、AP1000、EPR)についても世界初の営業運転を実現した。これまで27年間、世界3位だった日本は4位に転落した。

 この調査は毎年行っているもので、世界の電力会社などを対象にアンケートを実施。今年1月1日時点のデータを集計した。

 世界で運転中の原子力発電所は443基・4億1445万4千キロワット。前年に比べ基数に変動はないが、合計出力は507万9千キロワット増加し、4年連続で過去最高を更新した。

 18年には新たに2カ国で9基・1110万9千キロワットが営業運転に入った。内訳は中国が7基、ロシアが2基。一方で米国や日本、ロシア、スウェーデン、台湾、アルゼンチンで9基が閉鎖している。

 バングラデシュと韓国、ロシア、トルコ、英国では5基・677万5千キロワットが着工。建設中の原子力発電所は59基・6341万1千キロワットとなった。新設が見込まれる原子力発電所は84基・9342万7千キロワット。エジプトとウズベキスタンで5基・600万キロワットが新たに計画入りしている。

 この他、18年には米国で80年運転を目指して2回目の期間延長を申請する事業者が現れたことも分かった。

電気新聞2019年4月19日