東北電力と東芝エネルギーシステムズは26日、分散電源を活用したP2P(ピア・ツー・ピア)電力取引の共同研究を実施する契約を締結したと発表した。期間は来年3月までの約1年間。家庭で発生した太陽光の余剰電力などを顧客同士が直接取引するP2P電力取引について、取引を実現するためのビジネスモデルや、取引の拡大を見据えた最適な設備形成・系統運用の在り方の検討を行う。

 研究では顧客間のマッチング手法といったP2P電力取引を成立させるため、具体的な仕組みや取引方法、記録手段としてのブロックチェーン技術の有効性について検証する。

 配電系統への影響を評価しながら、今後の最適な設備形成や系統運用の在り方についても検討する。送配電事業者にとってP2P電力取引は、顧客間での取引が自由に行われることから電気の流れの把握が困難で、設備形成や系統運用が難しいという課題があった。そのため、検証用モデルとして2万戸程度の模擬配電系統を構築し、太陽光や蓄電池の普及率に応じて取引量を増減させるといったシミュレーションを行う。

 東北電力はP2P電力取引のビジネスモデルの検討など、東芝はシミュレーションモデルの開発や分析、ブロックチェーン技術の有効性評価などを担当する。

電気新聞2019年5月7日