中国電力と中電工、四国電力、双日、JXTGエネルギーは5日、台湾・雲林(ユンリン)県での洋上風力発電事業に参画すると発表した。ドイツの大手再生可能エネルギー開発事業者であるwpdグループから権益の一部を取得する。中国電力や中電工、四国電力にとって、海外の風力発電事業への参画は初めてとなる。

 事業地域は台湾中西部に位置する雲林県の8キロメートル以上沖合。計画では、2021年12月までに出力64万キロワットの「雲林洋上風力発電所」を建設する。基礎を海底に固定した着床式。出力8千キロワットの風車を80台設置する。

 風車メーカーはスペインのシーメンス・ガメサで、近く着工する予定。設備利用率40%、年間の発電電力量は約23億キロワット時を見込む。発電した電力は、台湾の再生可能エネルギー法に基づき、20年間にわたり台湾電力公司に固定価格で販売する。

 wpdグループとの間で、4日に株式売買契約を締結した。中国電力と中電工は、両社が今年3月に折半で設立したC&Cインベストメントを通じて出資する。契約締結後の出資比率は、wpdグループ73%、双日9.1%、C&Cインベストメント6.75%、JXTGエネルギー6.75%、四国電力4.4%。

 中国電力は、台湾で水力発電所再開発などの技術コンサルティングを行った実績がある。同社は海外事業を成長分野の一つに位置付けており、今後も引き続き出資参画を検討していく方針。

 四国電力は「次なる成長エンジン」として、海外発電事業の積極展開を図っている。今回が8件目の参画。「25年度に持ち分容量で150万キロワット程度」との目標を掲げており、今回で約68万キロワットに達した。

 台湾は再生可能エネルギーの導入促進に積極的で、洋上風力発電については25年までに550万キロワットの導入を目指している。

電気新聞2019年4月8日