【テストランでも審査】


 本番直前の19、20日には同じ会場でテストランが行われた。ロボットの最終調整のほか、製作したロボットついて審査員に説明をする。これも審査の一環で、競技だけでは見えない選手たちの工夫、思いを審査員が拾ってゆく。写真は4人の審査員にロボットの詳細を伝える福島高専の選手たち。本番では思い通りにいかなかったが競技後には「この経験、さらにロボットに関する知識や経験を積み重ね、将来きちんと福島第一原子力発電所の廃炉にロボット分野で貢献できるようになれたら」と話してくれた。

【緊張の高まる瞬間】


 「X-1ペネ」からのアクセスルートを選択し、スタート地点にロボットをセットする舞鶴高専の選手たち。原子炉格納容器の貫通孔をイメージした塩化ビニール管にロボットを据えた。写真はテストラン時のものだ。ロボットを製作してきた学校などでは、競技フィールドを完全に再現することは難しい。テスト走行はとても重要な機会だ。想定外の出来事も多発し、選手の表情からは早くも、不安や期待、緊張が伝わってきた。

【肝要の遠隔操作】


 競技テーマが放射線量の高い2号機原子炉格納容器内での作業のため、遠隔操作を行う。ロボットをスタート地点に据えると、ロボットを目視できないパーティションの中から遠隔操作する(写真はテストランに臨むサレジオ高専)。ロボットから送られてくる映像や情報はとても限られ、通信トラブルも頻発する。観客からは見えにくいが、技術力やアイデアの大きな見せ所だ。