新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、3端子以上を設置して直流送電線で結ぶ「多端子直流送電システム」を想定し、開発プロジェクトを進めてきた。
このプロジェクトは、マスタープランよりも先の未来を見通している。
「各国が技術開発競争を繰り広げる浮体式洋上風力が実用化され、大量に導入される時代に向けたシステム」とNEDO。開発は、NEDOの委託を受けた東京電力ホールディングス(HD)や東京電力パワーグリッド、重電メーカーが取り組んできた。
多端子直流送電は、洋上風力発電所から届けられる交流の電気を洋上の複数の交直変換所で直流にしてから、海底直流送電ケーブルに乗せて、陸上に設置された複数の交直変換所で再び交流に戻すシステム。
この海底直流送電ケーブルは、交流系統間の地域連系線としても利用でき、電気が不足している地域への電力融通などに活用できる。
仮に、北海道、秋田、新潟県沖に3カ所の洋上風力を建設したとすると、交直変換所は洋上に3カ所設置。洋上の3変換所と海底直流送電ケーブルで結んだ北海道、首都圏近郊に設置した陸上の変換所で直流から交流に変え、交流系統に送電する。
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