放射線量が高い1号機建屋付近での作業もカメラで捉えた(NHK提供)

 NHKの人気ドキュメンタリー番組「100カメ」が、19日の放送で東京電力福島第一原子力発電所を取り上げる。とび工やクレーン操縦士ら現場で活躍する作業員が登場。現場に出る前の準備体操や1号機建屋付近での作業の様子を映し出す。休憩所で思わず漏れる作業員の本音も拾い上げる。

 100カメでは、100台の固定カメラを設置して人々の生態を観察する。今回の福島第一原子力発電所ではセキュリティーが厳しく、カメラ固定用のねじや充電用のケーブルなど、構内に持ち込む全機材について事前申請が必要だったという。放射線量が高い場所はカメラの設置を作業員に託したほか、作業員のヘルメットにもカメラを取り付けた。

 NHKが撮影交渉を始めたのは2022年4月。番組制作を担当する小林涼太ディレクターは「事故から13年たった今の現場の『体温』や『息づかい』が伝われば」とコメントしている。

 午後10時~10時45分、NHK総合で放送する。

電気新聞2024年8月15日