◆三菱電機が51%出資

 三菱電機と三菱重工業は29日、2024年4月に発電機事業の統合を目指し、新会社の本社を神戸市に置くと発表した。神戸市には三菱電機が発電機を製造する電力システム製作所がある。新会社の三菱電機と三菱重工の出資比率を51対49にすることも決めた。統合分野には火力発電、原子力発電、水力発電が含まれる。発電機事業の競争力強化に向けて新体制を構築する。

 両社は22年12月に発電機事業の統合に向けて基本合意を結んだ。検討を重ね、今回は会社分割による統合契約を締結したと発表した。今後は三菱電機が12月末までに100%子会社の準備会社を設立する。準備会社は普通株式を発行し、三菱電機と三菱重工に割り当てる。統合新会社は24年4月から事業を開始する。新会社の代表者は未定。

 火力、原子力、水力向け発電機の製造や品質管理、アフターサービスを新会社が一括して担う。火力と原子力は発電機の設計も手掛ける。火力では発電機に付随する電気品の設計や設置工事も行う。

 両社の発電機事業を統合した新会社の売上高は、数百億円規模となる。三菱電機は電力システム製作所、三菱重工は日立工場(茨城県日立市)でそれぞれ発電機を製造している。

 両社の保有する技術や資産を集め、競争力の強化を目指す。

電気新聞2023年5月30日