中国電力ネットワークは、ベテラン社員にやりがいを持って働いてもらうための活動を今年度から開始している。「マスターズ教育」と題する研修を13日に初めて開催。50歳代の担当者12人が参加し、社外講師からベテラン世代に求められることや今後も輝くために必要なことなどの講義を受けた。

 今回の研修は、ベテラン社員が創造力を発揮して活躍し続けてもらうことが目的。周囲から期待を受けていることや自身の経験に基づく強みを再認識し、ベテラン社員としての自覚を促したい考えだ。

 当日は広島市の本社にグループ企業へ出向中の社員も含めて参集した。仕事人生を再評価しキャリアの幅を広げることや、専門領域の中で新しいことをやり続ける必要性について講師から伝えられた。

 そのためにも「変わる勇気を持ち、常に挑戦することが大切」と講師は指摘。お互いを尊重しながら意見を交わす「アサーティブ・コミュニケーション」の手順についても学んだ。

 参加したベテラン社員からは「後輩の手本となるような仕事をしなければいけないと感じた。とても良い刺激を受けた」との感想が聞かれた。

 マスターズ教育を企画したネットワークサービス部の大月圭一部長は「事務系社員はベテラン層の大量退職などによって中期的に急減する」と前置きし、より少ない人数で生産性を高めるためにも「ベテラン社員の豊富な知識と経験が不可欠」と指摘。今回の研修を通して「組織力強化の一翼を担ってもらいたい」と期待をかけている。

電気新聞2023年1月23日