会見で新会社名が書かれたボードを手にする中部電力の勝野社長(左)と大阪ガスの本荘社長(27日、東京・丸の内)
会見で新会社名が書かれたボードを手にする中部電力の勝野社長(左)と大阪ガスの本荘社長(2月27日、東京・丸の内)

 中部電力と大阪ガスは、首都圏で電力やガスを販売する新会社「CDエナジーダイレクト」を4月2日付で設立する。新会社は家庭や法人向けの電力・ガスと、暮らしやビジネスに関するサービスを販売する。許認可の取得やシステム整備などの準備を進めた後、14人体制で業務を開始する予定。新会社では2030年頃に販売電力量で200億キロワット時、ガスは約100万トン、将来的に顧客数300万件を獲得したい考え。

 新会社の資本金は17億5千万円で、中部電力と大ガスが折半出資する。本社は東京都中央区に置く。社長は小津慎治・中部電力執行役員・販売カンパニー東京営業部長が就任する。取締役は4人で、小津氏を含め両社から2人ずつを予定している。販売用の電力とガスは、中部電力と東京電力フュエル&パワー(F&P)の合弁会社JERAや外部からの調達を想定している。

 2月27日に都内で、中部電力の勝野哲社長と大ガスの本荘武宏社長が共同で会見した。勝野社長は「両社が保有する経営資源と販売ネットワークを持ち寄り、エネルギーのプロによるガス&パワーの提案を目指す」と意気込みを語った。

 また、新会社を通じて、新サービスを提供するパートナーも模索し続けるとの考えを示し、「当社と大ガスにはない(パートナーの)商材を組み合わせた価値あるサービスを提供したい」と述べた。

 大ガスの本荘社長は、新会社の社名に込めた思いを説明。CDは「チャレンジ」と「ダイナミック」、両親会社の略称の頭文字を取ったという。その上で「新会社が新しい価値の創造にチャレンジし、ダイナミックな事業展開をしながら、お客さまの要望にダイレクトに応えたい」と語った。

 首都圏の法人・業務用の電力販売では大ガスがエネット(東京都港区、武田勉社長)、中部電力はダイヤモンドパワー(東京都中央区、小津慎治社長)に出資しているが、本荘、勝野両社長は新会社設立後も原則、現状通りで臨むとした。

電気新聞 2018年2月28日