東芝と東芝エネルギーシステムズは、電気自動車(EV)を利用したエネルギーマネジメントシステム(EMS)などを手掛けるREXEV(レクシヴ、東京都千代田区、渡部健社長)と業務提携し、電動車を利用した次世代インフラサービスを検討する。車載蓄電池を利用したVPP(仮想発電所)の構築などが視野に入っており、EVの用途拡大を目指す。

 東芝と東芝エネルギーシステムズが、レクシヴと覚書を締結した。レクシヴはEMSを活用し、太陽光発電と車載蓄電池による電力の地産地消を目指している。カーシェアリング事業も手掛けており、19年度は環境省事業の一環で、神奈川県小田原市における「脱炭素型地域交通モデル構築」に参画。EVを市民などに貸し出す一方で、利用していないEVの蓄電池は電力需要のピークカットなどに活用した。

 東芝と東芝エネルギーシステムズは、自社の持つVPP向けシステムなどと、レクシヴのEMSやカーシェアリング技術を融合。新たな電動車サービスを始める考え。

 東芝は2018年に公表した変革計画「ネクストプラン」で、外部技術の導入を目的に、スタートアップ企業との連携を盛り込んでいた。

 一方、レクシヴは21日、三井住友ファイナンス&リース、大阪ガス、京セラ、東芝などを引受先とする第三者割当増資で約7億4千万円を調達したと発表した。資金は、人工知能(AI)を用いたエネルギーマネジメント技術の開発などに充てる。

 EVに加え、プラグインハイブリッド車(PHEV)やEVバスの蓄電池も需給調整に活用する考え。引受先企業とは、技術開発や営業面で協力する。

電気新聞2020年12月22日