東北電力は11月20日、ガスタービン転用工事を進めていた東新潟火力発電所4―1号系列(LNG、87万7900キロワット)が19日午後3時に運用を開始したと発表した。工事では、2019年3月に廃止した秋田火力発電所5号機(軽油、33万3千キロワット)と東新潟5号機(LNG、33万9千キロワット)のガスタービンを移設。出力がこれまでより5万1900キロワット増えるとともに、燃料消費量と二酸化炭素(CO2)排出量も年間5%ほど削減できる。廃止済みのガスタービン設備を他プラントで活用する取り組みは、国内でも初めてだ。
東新潟4―1号系列は、2台のガスタービンと1台の蒸気タービンで構成。新たに据え付けたガスタービンは全長14メートル、直径5.8メートル、重量407トンで、箱形の囲み(エンクロージャー)で覆われている。
転用元の秋田5号機と東新潟5号機は、東日本大震災後の早期の供給力確保を目的とした緊急設置電源。2基のガスタービンは東新潟4―1号系列の後発機で、形状や重量もほぼ等しい。据え付ける基礎も流用でき、工事費抑制の観点や出力増などの運用性向上を踏まえ、19年10月から転用工事を進めていた。
ガスタービン転用に伴う性能の向上により、再生可能エネルギーの出力変動に対しても柔軟な対応が可能になる。再生可能エネの普及・拡大に貢献できる。東北電力では「安全を最優先に、引き続き電力の安定供給に努めていく」としている。
電気新聞2020年11月24日
>>電子版を1カ月無料でお試し!! 試読キャンペーンはこちらから