経済産業省・資源エネルギー庁は、発電事業者が作成する非効率石炭火力の削減計画について、事業者単位ではなく全対象事業者の状況を統合して公表する方針を示した。個別の詳細情報は、立地地域との関係や競争に影響することから、2030年度に向けた各年度の設備容量など、石炭火力削減の状況を包括的に示す計画とする見通しだ。発電事業者が経済産業相に届け出る供給計画の補足資料として、毎年度作成を求める。

 30日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の電力・ガス基本政策小委員会(小委員長=山内弘隆・一橋大学大学院特任教授)で大筋合意した。

 削減計画については、非効率石炭早期削減の実効性確保のため、10月16日の石炭火力検討ワーキンググループ(WG)で、事業者に作成を求める方向性が決まっていた。一方、WGで、Jパワー(電源開発)や電気事業連合会は、立地地域との関係や競争情報に該当することを踏まえ、慎重な検討を求めていた。

 計画は、非効率石炭の早期削減に向けた動きを定期的に確認し、その措置の見直しなどにも生かす方針で、今後も詳細を詰める。30日の基本政策小委で電事連の清水成信副会長は、石炭火力の休廃止を進めるに当たって「地元との丁寧な調整が必要」などとあらためて述べ、詳細検討の際にも十分配慮するよう求めた。

電気新聞2020年11月2日