全国10エリアの2019年度電力需給実績がこのほど出そろった。再生可能エネルギー(水力、地熱、バイオマス、太陽光、風力)の年間発電量は前年度比6.6%増の1574億1912万4千キロワット時で、年間需要電力量の17.9%を賄った。5月4日午前11時~正午には、1時間当たりの需要電力量に占める再生可能エネ発電量の割合が62.9%に達した。年間需要電力量は同2.1%減だったため、火力発電量は同4.1%減少の6620億2754万1千キロワット時となった。
再生可能エネ発電量のうち、水力は同2.5%減の705億4354万6千キロワット時にとどまったが、太陽光は同11.1%増の651億7078万7千キロワット時となり、年間需要電力量の7.4%を賄った。バイオマスは同66.2%増の119億601万9千キロワット時と急増。風力は同4.2%増の77億5222万7千キロワット時だった。
九州エリアで実施された再生可能エネの出力制御量は、太陽光が同4.7倍の4億4322万3千キロワット時、風力が同9.1倍の1537万1千キロワット時。これにより10エリアの太陽光発電量は0.7%、風力発電量は0.2%抑制された。
3月の実績によると、10エリアの再生可能エネ発電量は前年同月比16.8%増の142億6829万キロワット時だった。このうち太陽光は同10.8%増の62億244万7千キロワット時。水力(同17.6%増の57億4167万2千キロワット時)を上回り、需要の8.4%を賄った。バイオマスは同63.4%増の12億6360万8千キロワット時、風力は同13.2%増の8億8537万1千キロワット時だった。需要電力量は同2.1%減少したため、火力発電量は同3.6%減の544億1412万4千キロワット時となった。
エリア別でみると、九州エリアで太陽光と風力の飽和感が強まった。3月の需要電力量は同1.9%減少し、日中の受け入れ余地が縮小。出力制御によって発電量は12%程度抑制された。太陽光の出力制御量は同91.3%増の1億2984万1千キロワット時で、発電量は同0.9%減の9億2317万4千キロワット時。風力の出力制御量は同9.1倍の984万3千万キロワット時で発電量は同9.6%減の6788万2千キロワット時だった。
1時間当たりの需要電力量に占める太陽光発電量の割合が全国で最大だったのは、3月21日正午~午後1時の46.1%。年間最大の50.5%(5月4日午前11時~正午)に次ぐ高水準だった。
電気新聞2020年5月15日
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