グーグルへ売電するビヨークヴァトネット風力発電所
グーグルへ売電するビヨークヴァトネット風力発電所

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)がこのほど、米グーグルの欧州拠点へ風力発電所の電力を供給するPPA(電力販売契約)を組成した。同発電所はGEが事業開発を支援し機器も供給したスウェーデンの案件で、2020年の運転開始を予定している。グーグルは9月、世界で再生可能エネルギーに20億ドル(約2100億円)超を投資する方針を発表。今回のPPAもこの一環で、GEが関係者との交渉を担い、成立させた。

 GEは9月上旬、スウェーデンのビヨークヴァトネット風力発電所(17万5千キロワット)に単機5300キロワットの陸上風車を33基供給すると発表した。同案件でGEは機器の供給と北欧のデベロッパー2社による事業開発や仏投資会社への事業売却も支援している。同下旬には発電した電力をグーグルへ販売するPPAの立案と交渉も手掛けたと公表。グーグルは、欧州のデータセンターが消費する電力の一部を風力発電で賄うとみられる。

 一方、グーグルは9月、過去最大となる合計160万キロワットの再生可能エネを調達する合意を結んだことを明らかにしていた。同社は電源の“追加性”を重視し、長期間の電力購入を表明することで新規建設を促すとした。今回のPPAもこの一環と位置付けられる。

 GEは過去にもマイクロソフトがアイルランドの風力から電力調達する案件で、PPA交渉を手掛けた実績がある。

 日本では電源の開発から運営、売電契約まで単一の事業者が実施することが多いが、海外の再生可能エネ事業ではそれぞれ別の事業者が担うことも珍しくない。

電気新聞2019年10月10日