倒れた鉄塔の基礎部分を調査する東電PG社員(10日、千葉県市原市)
倒れた鉄塔の基礎部分を調査する東電PG社員(10日、千葉県市原市)

 9日に襲来した台風15号による暴風の影響で、東京電力パワーグリッド(PG)エリアでは10日午後5時時点で千葉県を中心に約58万件弱の停電が続いている。東電PGはグループ企業や協力会社など総勢8千人規模、他電力などからも1500人超の応援を受け、現場巡視や復旧作業に懸命に取り組んでいる。2基の送電鉄塔が倒壊した千葉県君津市付近の現場では、10日に現場調査が行われた。千葉県だけでなく、茨城県、神奈川県、静岡県でも倒木の伐採や配電線の仮復旧などの作業が進められている。

 台風15号の影響で東電PG木内線(6万6千V)78、79号鉄塔が倒壊した千葉県君津市付近の現場では10日、千葉建設センターやTLC、日本リーテックの作業員約20人が倒壊した鉄塔の撤去や本施工に向けて緻密な調査を進めていた。

 現場では、工事用搬入路などの確保に向けて現地調査を実施。草木伐採の調整を行っている。その後、倒壊した鉄塔を撤去し本柱を建てる見込み。ただ、搬入路となる道中には倒木が多数散乱し、それによって折損した電柱もある。このため、送電線を外す作業は週明けになるとみられる。

 78、79号鉄塔の間には道路が通っており、送電線が高圧線や樹木などに引っ掛かり支えられている状態。車の往来も激しく、二次災害が起きる可能性があるため、きょう11日にも送電線を支えるための足場を設置する予定だ。

 現場は暑さが厳しく、現地調査で林の中に分け入ると、汗が噴き出るほど。熱中症対策として冷却パッドや飲み物を常備し、30分に1回休憩をとるなど注意している。

 東電PG工務部千葉建設センター送電第二グループの松村幸治・グループマネージャーは、「6回線の鉄塔が倒壊するのを見るのは初めて。まずは撤去作業に注力したい」と話していた。

電気新聞2019年9月11日