日本原子力文化財団が発行した漫画冊子「大停電が起きたら」
日本原子力文化財団が発行した漫画冊子「大停電が起きたら」

 日本原子力文化財団(桝本晃章理事長)は、大規模停電への備えを呼び掛ける漫画形式の冊子を作成し、同財団のウェブサイト上で公開している。停電時の生活への影響を解説するほか、資源の乏しい日本で燃料供給が途絶するリスクにも言及。エネルギー安全保障の重要性を学べる内容を目指した。

 漫画「大停電が起きたら」は、笹川平和財団の委託を受けて作成。今年3月に発行した。ユニバーサルエネルギー研究所社長の金田武司氏が監修。昨年9月に発生した北海道胆振東部地震に伴うブラックアウト(エリア全域の大規模停電)の教訓が盛り込まれている。

 全体は2部構成。前半部分では地震に起因する停電により、家電製品が使えなくなるなど日常生活にどういった支障が生じるかを解説。平時から準備しておくべきものをチェックリストとして付けた。

 後半は東京湾でLNG(液化天然ガス)タンカーが爆発し、燃料供給が滞るシナリオを描いた。日本のエネルギー自給率が1割にも満たないことや、石油の中東依存度の高さなどにも触れた。

 同財団では「北海道での停電を契機に、首都圏でも危機意識は高まっている。家庭などで話し合う時間を持つことが大切だ」と話している。冊子は同財団のウェブサイト「エネ百科」(https://www.ene100.jp/)から全編をダウンロードできる。

電気新聞2019年7月12日