
2022年のロシアによるウクライナ侵攻時に当社は様々なことを学び、有事に対する備えができていたことは当時との一番の違い。エネルギー価格が急騰した際の対応を考え、LNGのカーゴが来なくなるリスクなどを念頭に置きながら迅速に行動している。米国による対イラン攻撃の開始以降、直接的な影響を受けた船は現時点で居ない。
4~5月にかけては発電に必要なLNG在庫の心配はないが、ホルムズ海峡の封鎖状態がいつまで続くのか懸念されるところ。日本への需給影響を注視しなければいけない状況だ。安定供給を確保するため、長期契約やスポット調達などのポートフォリオ、JERAグローバルマーケッツ(GM)のトレーディング機能などを使いながら機動的な燃料調達に努めている。
市場影響については北海ブレント原油が攻撃前に比べ約1.6倍、アジア向けLNGスポット価格は同約2倍の水準まで高騰している。さらに石炭価格も上昇しており、長期化すると相応の影響が出てくるため、他国のプレーヤーの動向を注視している。
有事の際でも国民への過度な負担を軽減できる方法を考えなければいけない。LNGなどの燃料に関しては国内の事業者間で連携できるのであれば、協力することが必要だ。
また、緊急的な対応として、稼働を抑制している石炭火力の利用を増やせばLNGの消費を抑えることができる。当社はJERAGMを通じて石炭のトレーディングを手掛けており、自分たちの使用量以上の石炭を常に取り扱っている。第三者への販売も含めた取扱量や取引先の数は他社に比べても多く、日本国内で困っている事業者があれば協力できる。
国民経済的な観点では、社会全体で省エネに取り組むことも有効だと考える。様々な手段を組み合わせることで、有事の際にも日本全体の経済性を考えていくことが必要だ。(談)
◆メモ
かさい・かずのり=1990年東大法卒、中部電力入社。燃料畑を歩みJERAGM発足時のCEOを経験、2023年7月から現職。4月から取締役に就く。
電気新聞2026年3月31日





