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 次に、電源版マスタープランの具体的な内容について考察してみたい。電源版マスタープランというと、電源種別毎に細かく具体的な導入量を決定するイメージを持たれるかもしれない。もっとも、電源種別毎に細かく具体的な導入量を決定する必要性は必ずしもなく、これまで述べたような目的を達成するために必要な内容であれば足りる。

 例えば現在、長期オークションにおいては、LNG火力専焼枠を除き、募集は全電源種一律に行われているが、将来的な再生可能エネルギーの導入見通しを踏まえて、調整力や慣性力を有する電源に特化した募集をすることが考えられるし、今後必要となると思われる(※調整力や慣性力は、火力電源等であればいずれも提供することは可能であり一括して調達することも考えられる)。また、原子力や水力、地熱といった長期固定電源は、安定的に脱炭素キロワット時を供出することが可能であるため、需要増に対応するためには、これらの電源を安定的に確保することも必要となる。

 これらの点を踏まえると、例えば電源が提供可能な価値を踏まえて、以下のような枠組みで全国及びエリア単位で電源の新設・リプレースの見通しを示すことが考えられる。

 (1) 脱炭素長期固定電源

 (2) 脱炭素調整力/慣性力電源

 (3) 自然変動電源

 このうち、LNG燃料の長期契約確保の観点からは、(2)の中でも、LNG火力電源を切り出して具体的な数値目標を示していくことが考えられる。

 また、供給力不足は避けなければいけないため、電源の新設・リプレースの前提となる需要見通しについては、広域機関の策定したシナリオの中でもある程度裕度をもったものを前提とする必要があるが、その需要見通し及び具体的な電源の休廃止や新設・リプレースの見通しを踏まえて、例えば、2035年以降、5年単位で上記(1)~(3)の見通しを示すことが考えられるのではないか。ただし、環境変化が激しいことから、見通しについては、毎年、必要な補正をかけることも重要といえる。

 かかる見通し及び電源等の建設リードタイムを踏まえて、長期オークションなどにおいて、いつまでにどのような価値・機能をもった電源を、どの程度募集することが必要かを議論することが重要と思われる。

 なお、電源版マスタープランについては、エネ基との整合性の議論も出てくるところであるが、複数シナリオを前提とする第7次エネ基は、長期的な電源開発や燃料調達に関する投資判断の目安を事業者に示し、必要な制度的措置につなげていくことを目的とした電源版マスタープランとは性格を異にするという整理が可能なように思われる。