トヨタが開発した生活支援ロボットのデモンストレーション
トヨタが開発した生活支援ロボットのデモンストレーション

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は15日、大会期間中に運営をサポートする3種類のロボットを公開した。車いす利用者を観戦席まで誘導するロボットと、その席に飲み物などを届けるロボットはトヨタ自動車が提供。運営スタッフには、着用すると腰への負担を軽くしながら重い荷物を運べるパナソニック製のスーツを導入する。組織委は今後、大会期間中に投入するロボットの種類を増やす方針だ。

 トヨタが開発したのは「HSR(ヒューマン・サポート・ロボット)」と「DSR(デリバリー・サポート・ロボット)」。HSRは高さが1メートル程度で愛らしい顔つきをしているのも特徴だ。車いす利用者を観戦席に誘導するだけではなく、会話もできる。

 同日に行ったデモンストレーションでは、車いす利用者に「よろしくお願いします」と丁寧にあいさつしてから誘導をこなしていた。

 車いす利用者は、タブレットで注文した飲み物などをDSRに届けてもらうことも可能。DSRが運んだ品物は、HSRがアームでつかんで渡す仕組みだ。2種類のロボットは陸上競技のスタジアムで運用する。現時点でHSRは16台、DSRは8~10台ほど導入する予定だ。

パナソニックのパワーアシストスーツ
パナソニックのパワーアシストスーツ

 運営スタッフ向けにパナソニック製の「パワーアシストスーツ」も公開。搭載したモーターの力を借りて、重い荷物を持つときに腰へかかる負担を軽減できるのが特長だ。飲食物や廃棄物の運搬、大会関係者の荷物をバスに積み入れる際に活用する。20台程度の導入を予定している。

 3種類のロボットを公開したのは、大会を舞台に日本のロボット技術を世界へ発信する「東京2020ロボットプロジェクト」の第1弾。今後もロボットの種類を増やして順次発表する予定だ。

電気新聞2019年3月18日