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◆インバランス制度の問題点

 時間前市場についても重要な事項は同じであるが、ここで問題になるのは自由な取引である。時間前市場でも取引は自由活動であるべきだが、計画値と実績値の差を埋める活動(インバランス抑制)は事業者の義務であり、計画同時同量制の最も重要な基盤事項である。

 現在は通常時の不足インバランス料金は調整電源単価と定められており、ペナルティー的な要素はない。また余剰インバランスは不足インバランス料金単価と同額で買い取りがなされ、発生量を抑制するインセンティブはない。計画同時同量を順守させるには、不足、余剰ともインバランスを発生させないような経済的なインセンティブを持つ制度とする必要がある。余剰インバランスにおけるペナルティーの導入は、再生可能エネルギーの市場統合においても必要な措置であり、スポット市場におけるネガティブプライス導入の必要条件でもある。

 時間前市場はスポット市場に比較して取引量が少ないとの指摘がある。原因は明確である。一つは前述のインバランス抑制のインセンティブがないこと、もう一つは再生可能エネルギーの大部分を占めるFIT(固定価格買取制度)発電分の調整で時間前市場が利用されていないことである。ゲートクローズ(実受け渡しの1時間前)以降の調整は調整力によって行う必要があるが、本取引所としては、ゲートクローズ以前の調整に時間前市場を利用することを送配電事業者に強く推奨する。FIT調整分(三次調整力(2))や二次調整の一部、三次調整力(1)は、時間前市場が十分利用可能である。需給調整市場の見直しでは、こうした点を含めて検討を行うべきである。

 また、時間前市場にオークション(板寄せ)方式を導入すべきとの意見がある。主な理由は、大量の取引を短時間で成立させられる点にある。前日市場と当日市場で取引単位が異なる欧州の場合、調整目的の入札が集中するため、当日市場の開始直後(前日市場終了約2時間後)にオークションを導入したが、取引単位が同一の日本には当てはまらない。何らかの理由で入札が集中するような事態にならない限り、現在のザラバ仕法を維持し、取引参加者がさらなる利益追求に向けて予測精度の高度化に取り組む基盤として機能すべきである。