西部ガスホールディングス(HD)傘下の西部ガスとJERAは22日、ひびきLNG基地(北九州市)のLNGタンクを共同利用すると発表した。2029年度の運転開始を予定する同基地3号タンク(23万キロリットル)が対象。両社のLNGの需給状況に応じて相互融通を行うほか、アジア地域向けのLNG販売を進める。
両社が「ひびきLNG基地の戦略的活用などに関する提携」について合意した。3号タンクの共同利用に当たり、JERAが3号タンクの使用容量などに対する料金を支払う。
3号タンクを用いてLNGの相互融通を行う。JERAのLNG基地の容量が上限を超えた場合にひびき3号タンクにLNGを移したり、同タンクが容量下限を下回った際にJERAの基地から運んだりする。3号タンクに余裕がある時は、JERAが余ったLNGを使用するなどする。
ひびきLNG基地には既設の1、2号タンク(各18万キロリットル)があり、西部ガスと九州電力の共同出資会社が運営する。
西部ガスは昨年11月、総額500億円超を投じ3号タンクの単独新設を決めた。会見した西部ガスの加藤卓二社長は「JERAとの提携がタンク投資決定の後押しになった」と話し、投資回収についても「かなりプラスになる」とした。
JERAの田中直人・LNG統括部理事は「(ひびき基地には)LNG払い出し設備があり、一度タンクにためたLNGを再出荷できる強みがある。当社のLNG安定確保に役立つ」と指摘。同社の奈良本壮平・LNG統括部LNGオリジネーション第二ユニット長は、ひびき基地が「極東におけるLNG出荷のハブになりうる」と語った。
電気新聞2025年4月23日
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