実証の見通し、効果などを説明した見学会


 電動業務用車両の普及を後押しする「電動車活用推進コンソーシアム」は2日、通勤に電気自動車(EV)を利用する実証を公開した。日立インダストリアルプロダクツ土浦事業所(茨城県土浦市)に設けている大容量充電設備について、最大20口同時充電できる利点のほか、系統混雑の緩和に寄与する充放電制御技術などをコンソーシアム会員企業に説明した。通勤車両をガソリン車からEVに切り替えることで、社員の通勤手当を約8割削減できる試算も伝えた。

 土浦事業所に日立インダストリアルプロダクツ製の大容量充電設備「マルチポートEVチャージャ」を設け、今年7月から実証している。10人の参加者はサブスクリプション(定額課金)サービスでEVのリースを受け、通勤車として活用している。

 当日はコンソーシアム会員企業25人が参加した中、マルチポートEVチャージャの概要として、充放電制御技術によるピークシフト、ピークカットなどを説明。V2X(電動車からの給電)の機能も紹介した。利点として通勤手当の削減効果のほか、EVの利用で通勤に関する二酸化炭素(CO2)排出を8割削減できる試算値も示した。

 実証では利便性や操作性の課題を調査している。今後最適な充電タイミングなども調べる考え。

 同コンソーシアムは2020年に発足した。発起人はNTTと日立製作所、リコー、東京電力ホールディングス(HD)。東電HDが事務局を担う。

電気新聞2024年12月3日