東北電力は30日、新潟火力発電所5号系列・第5―1号機(新潟市、LNG、5万4500キロワット)で水素混焼試験を実施し、混焼率8%程度(体積比)を達成したと発表した。水素を既存燃料の天然ガスに混合してガスタービンで燃焼して発電する試験となる。混焼率8%は設備の改造を伴わないで混焼できる最大比率となる。知見を踏まえて大型ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)設備への展開を目指す。
混焼試験は29、30日の2日間で行われた。使用した水素量は1回につき千ノルマル立方メートル。LNG使用量の抑制で二酸化炭素(CO2)を2.4%削減できる。水素混焼中の出力増減に伴う操作が、発電所の運転状態に与える影響も検証した。
昨年10月にはGTCC方式の発電所としては国内初の試みとなる水素混焼実験を実施。80ノルマル立方メートルの水素を使用し、混焼率1%を達成した。今回は混焼する水素量を増やすため、前回の水素ボンベを組み合わせた「水素カードル」から変更して水素トレーラーでの供給とした。
今回の試験は東北電力が掲げるカーボンニュートラル達成に向けた火力の脱炭素化の取り組みの1つとなる。
電気新聞2024年10月31日
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