経済産業省と総務省は、データセンター(DC)の分散立地に向け政策的支援策を検討する方針を示した。オール光ネットワーク技術の研究開発と実装を後押しして超低遅延な通信を広域で実現しながら、脱炭素電源の近傍にDCの立地を誘導する。DCのエネルギー消費効率改善を促す制度を検討する。
経産省と総務省が事務局を務めたデジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合の「中間とりまとめ3.0」をこのほど公表した。会合を5月から9月にかけて非公開で開き、2030年代に向けてDC整備の基本的な方向性を提起した。
DCの約8割は東京圏と大阪圏に集中しており、災害対策や電力確保の観点から地域への分散を促す。地域のデジタル化進展も分散立地の狙いに込めた。東京と大阪に続く第3、第4のDC中核拠点として、脱炭素電源が豊富な北海道と九州を位置付けた。その他の地域にも全国で拠点を設ける。
具体策として、オール光ネットワークの社会実装と連動しながらDCの拠点を地方に誘導する。超低遅延の通信技術を活用することにより、距離の制約を緩和する。地方の再生可能エネルギーなどの近傍に立地しやすくなる。
とりまとめでは「DCの地域分散に向け、政策的支援を早急に検討すべき」と訴えた。両省でそれぞれ議論を深める。経産省は省エネルギー小委員会などで深掘りする。エネルギー基本計画の議論でも取りあげる予定だ。GX(グリーントランスフォーメーション)政策と連携するため、内閣官房のGX実行会議でも検討する。
電気新聞2024年10月18日
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