Jパワー(電源開発)と中国電力が折半出資する大崎クールジェン(広島県大崎上島町、菊池哲夫社長)は25日、二酸化炭素(CO2)分離・回収型石炭ガス化複合発電(IGCC)にバイオマス燃料を混合する世界初の実証試験を開始したと発表した。バイオマス混合ガス化技術の社会実装を目指し、プラント全体への影響や、バイオマス燃料の適応可能性を評価する。

 実証は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で21日に開始した。期間は2カ月程度を見込む。

 バイオマス燃料の混合率は5~10%からスタートし、50%を最終目標として混合率を高めていく方針だ。

 CO2分離・回収技術を組み合わせた酸素吹きIGCCにバイオマス燃料を混合するのは世界的にも例がない。実証を通じてバイオマス混合ガス化の最適なシステムの検討につなげる。

 これまで大崎クールジェンとNEDOはCO2分離・回収型の酸素吹きIGCCの実証試験で、CO2回収率90%以上を達成している。さらにバイオマス混合ガス化技術を確立できれば、CO2貯留・利用技術と組み合わせてカーボンニュートラルを実現することができる。

電気新聞2024年9月26日