営業所の心臓部となる運炭管理室


 東北電力グループの東北ポートサービス(TPS、仙台市、小野誠彦社長)は火力発電燃料の荷役や貯蔵管理を担い、「燃料荷役のエキスパート集団」として、電力の安定供給を支えている。近年は再生可能エネルギー電源の増加によって火力の役割が変わり、石炭の運用方法も変化している。同社の原町営業所(東北電力原町火力発電所)を取材した。

 原町火力には、8万~9万トン積みの石炭船1隻が1週間に1度のペースで入港する。1、2号機(各100万キロワット)がフル稼働した場合、1日当たりの石炭消費量は約1万6千トンになるため、約5日分の燃料に相当する。TPS原町営業所では、石炭船の停留期間約5日の間に、入港から石炭陸揚げ、出港までの一連の作業を協力会社2社を含む約70人で実施。主に事務所、埠頭監視所、運炭管理室の3つに組織を分けて運用している。

 事務所では石灰石などの副産物や、混焼燃料である木質バイオマスの取り扱い業務を担当。埠頭監視所は外国船の入港手続きや不審入船の確認、水先案内人の管理などを行う。体調不良になった船員の病院への付き添いにも対応しており、昼夜を問わず連絡が届く。

 営業所の心臓部は運炭管理室。陸揚げされた石炭を一時貯蔵する貯炭場の管理などを担う。主要設備の目視点検も仕事の1つで、ベルトコンベヤーの点検や清掃にも常に細心の注意を払う。

 電気新聞2024年9月25日