積水化学工業は6日、国内初となる営農型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を千葉県匝瑳市で開始したと発表した。断面がレンズ型のモジュールに、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置する。発電効率や農作物への影響に加え、電池を支える架台など、ハード面の条件を調査。営農型太陽光発電へのペロブスカイト太陽電池導入について、ノウハウを確立したい考えだ。
実証実験は匝瑳市内の大麦畑の一角で、2日にスタートした。営農型太陽光発電を展開するTERRA(匝瑳市、東光弘社長)と共同で取り組む。
ペロブスカイト太陽電池は、断面がレンズ型で、風の影響を受けにくい形状のモジュールに設置する。電池は1枚当たり30センチメートル×1メートルの大きさ。それぞれのモジュールに4枚貼り付ける。電池の出力は非公表。
このモジュールを4個取り付けた架台を複数用意する。実証実験の期間は約2年間。曲面に貼り付けた場合の発電効率や農作物への影響のほか、軽量なペロブスカイト太陽電池に適した架台の構成、施工性を検証していく。
今後、水田などへ適用範囲を広げていき、遊休農地や耕作放棄地への導入も目指す。
電気新聞2024年8月7日