気温40度を表示する都内の電光看板

 東京電力パワーグリッド(PG)エリアは29日、最大電力が今夏最大の5697万キロワット(速報値、午後2時台)を記録した。前年の最大(5524万キロワット)を上回り、2年ぶりに5600万キロワットを超えた。栃木県佐野市で統計開始以来1位の気温41度を観測するなど、全域で猛暑となり冷房需要が伸長。東電PGは追加の供給力対策として発動指令電源の発動などで100万キロワット超を積み増した。使用率ピークは94%(同、午前10時台)で、最低限必要な予備率3%以上は確保した。

 東電PGは、午前中から追加の供給力対策を実施。火力の増出力は、午前9時から午後9時まで計30万キロワットを指示した。安定電源の余力提供は午前9時から深夜の午後12時まで15万キロワット分を要請した。発動指令電源は午後4時から午後7時まで61万キロワット分を発動した。

 バランシンググループ(BG)から一般送配電事業者への揚水発電の運用切り替えも行った。BG計画の上下限を上回る水位を使用できるようになり、午前11時から午後3時半まで50万キロワットの供給力積み増しに寄与した。

 29日は広域予備率が5%を下回る恐れがあったため、電力広域的運営推進機関(広域機関)は自家発を保有する会員に対し、午前11時~午後9時半のたき増しを要請した。余剰電力は時間前市場に供出するほか、小売電気事業者との相対契約がある場合は、契約通りに電気を受け渡すよう求めた。同日午後4時時点で電力融通は指示していない。

電気新聞2024年7月30日