カードリーダーに建設キャリアアップカードをかざすデモ操作の様子
カードリーダーに建設キャリアアップカードをかざすデモ操作の様子

 建設技能者の就業履歴や保有資格を蓄積・登録する「建設キャリアアップシステム」(CCUS)の試験運用に当たる「限定運用」が15日から始まった。規模が異なる建築・土木の新築・改修工事24現場で使い勝手やトラブルなどを検証し、今年4月を予定する本運用に備える。CCUSの運営主体である建設業振興基金は「CCUSを活用することで技能者一人一人が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備し、建設業の担い手確保に努めたい」と話す。

 限定運用では対象の現場ごとに、カードリーダーを設置。CCUSに登録した技能者に交付される「建設キャリアアップカード」の読み取り、システムへの就業履歴の蓄積状況を確認する。一定のエラーが出ることを想定し、現場には建設業振興基金の担当者を置いた。限定運用中に蓄積された就業履歴は、本運用開始後も引き継ぎ可能とした。

 国交省と建設業振興基金は同日、限定運用の現場を報道向けに公開した。現場公開は大成建設が施工するオフィスビルの建築工事「(仮称)麹町五丁目建設プロジェクト」と鹿島が施工するホテルの建築工事「赤坂5丁目プロジェクト」で実施。当日は大成建設、鹿島の担当者が工事概要を説明した後、協力会社の技能者が入退場口や通路に設置されたカードリーダーに建設キャリアアップカードをかざすデモ操作を行った。

 国交省は2019年度中に100万人、23年度中に全技能者のCCUSへの登録を目標に掲げている。今月7日時点で技能者約1万7千人、約1万事業者が登録しているが、「限定運用開始のアナウンスもあり、昨年12月末から1月上旬にかけてかなり登録が増えている」(建設業振興基金)という。

電気新聞2019年1月18日