◆ユーザー機器の指令応答力/活用へ制度設計が急務

 ◇今回の登壇者 西村陽氏(大阪大学招聘教授)

 にしむら・きよし 1984年関西電力入社。学習院大学経済学部特別客員教授などを経て2013年より現職。政府審議会・研究会の委員など歴任。公益事業学会政策研究会幹事、都市と電化研究会副代表。
 

<今回の論点>

 信頼度維持に必要な指令応答能力(ディスパッチャビリティー)は過去、系統側の指令の下で供給者側(発電機)が担う「理想郷」にあった。しかし脱炭素と自由化の両立を目指す改革の中でそれは破綻しつつある。危機からの回復には過去には見えていなかった「需要側のエネルギー資源」を電気事業資産として活用するしかない。ただ本来の役割を持つ需要側機器に対し、どのようにして確実性の高い応答能力を持たせるかが課題。解決に向けた制度設計や市場整備が急がれる。

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