経済産業省は19日、再生可能エネルギーのFIT(固定価格買取制度)、FIP(フィード・イン・プレミアム)制度に基づき、電気料金に上乗せする再エネ賦課金の2024年度の単価を1キロワット時当たり3.49円に設定すると発表した。ロシアのウクライナ侵攻による電気の市場価格高騰で再エネ電気の販売収入が増加し、単価が下がった23年度に比べ、同2.09円の大幅増。22年度の単価同3.45円と同水準となり、単価が年々、増加する傾向に戻った。

 導入が拡大する再エネの買い取り費用は4兆8172億円で、23年度から695億円増えた。再エネの販売収入に当たる回避可能費用は、23年度比1兆5031億円の急減で2兆1322億円。買い取り費用から回避可能費用を差し引いた国民負担分の再エネ賦課金は、同1兆5726億円増の2兆6850億円で、22年度並みの額となった。

 賦課金を販売電力量7707億キロワット時で割り、導いた単価が3.49円。

 1カ月の電力使用量が400キロワット時の一般的な家庭の年間負担額は、23年度に比べ1万32円増の1万6752円。新単価は5月の請求分から適用される。

 単価はFITが導入された12年度の0.22円から毎年、上がってきたが、23年度に単価が初めて下がった。

電気新聞2024年3月21日