電気学会(会長=安田恵一郎・東京都立大学教授)は1日、社会生活に大きく貢献した電気技術の功績をたたえる「でんきの礎」に4件・15者を決定したと発表した。17回目となる今回は、完成から30年を迎えた世界初の重粒子線がん治療装置や、公共交通システムの無人運転技術などが選ばれた。

 授与式は3月15日、徳島大学常三島キャンパス(徳島市)で開かれる電気学会全国大会の中で行われる。

 でんきの礎は電気学会の創立120周年記念事業の一環として2008年に始まった。電気技術の功績を広く世の中に周知し、関心を高めてもらう狙いがある。実用化から25年以上が経過した技術が対象だ。選定数は今回顕彰した4件を含め計97件となった。

 今回選定した技術・功績は次の通り。

 ▽重粒子線がん治療装置HIMAC(量子科学技術研究開発機構・量子生命・医学部門、住友重機械工業、東芝エネルギーシステムズ、日立製作所)▽スーパージャンクション半導体デバイスの理論構築(富士電機松本工場、山梨大学)

 ▽鉄道用単線自動閉そく「電子閉そくシステム」(鉄道総合技術研究所、JR東日本、日本信号、大同信号)▽都市型公共交通システムの無人運転の実現と国際規格化への貢献(大阪市高速電気軌道、新潟トランシス、神戸新交通、川崎車両、神戸製鋼所)

電気新聞2024年2月2日