協議会のようす(19日、東京・霞が関)

 原子力発電事業者11社と日本原燃の社長(北陸電力は副社長)が19日、齋藤健経済産業相に使用済み燃料対策をはじめ、バックエンドの諸課題解決に向けた取り組みを報告した。電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)が、フランスにおける使用済みMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の再処理実証実施に向けた取り組みなどを説明。「将来の(使用済みMOX)再処理技術確立に大きく寄与する」とその意義を強調した。齋藤経産相は、核燃料サイクルの早期確立に向け「使用済み燃料再処理工場とMOX燃料加工工場の竣工、安定操業の実現は極めて重要」として、業界大での原燃への支援強化を求めた。

 同日、経産省で約2年8カ月ぶりに使用済燃料対策推進協議会が開催された。核燃料サイクルの確立やプルサーマルの推進、使用済み燃料対策の進捗といった5項目について、池辺会長が前回会合からの進捗状況を説明した。

 冒頭、北陸電力の平田亙副社長が能登半島地震からの復旧における国や電力会社の支援に感謝を示し、「停電の早期解消と電力安定供給に全力を尽くすとともに、原子力発電所の安全確保と的確な情報発信に努める」と述べた。また関西電力の森望社長が昨年10月に公表した、使用済み燃料の福井県外への搬出に関する工程表について説明。原燃の増田尚宏社長は再処理工場竣工と、その後の安定運営に向けた体制強化などを紹介した。

 これを受け齋藤経産相は搬出工程表の確実な履行、再処理工場竣工に向けた取り組みの推進などを重ねて要望。バックエンドの課題解決へ「エネルギー政策に責任を持つ政府としても事業者とともに主体的に対応していく」と抱負を述べた。

電気新聞2024年1月22日