経済産業省・資源エネルギー庁は、マンションなど共同住宅への電力の一括供給の在り方に関する検討を開始する。高圧一括受電は電力小売り全面自由化以前にスタート。料金を抑えられるメリットはあるものの、ガスとのセット販売など多様な料金メニューが示されている現状で、需要家のニーズが適切に反映されているかを見極める。

 8日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)電力・ガス基本政策小委員会で検討に着手する。

 高圧一括受電は、需要家が事業者を選択できなかった小売り全面自由化前に始まった。高圧の託送料金の安さから、電気料金も相対的に低く抑えられるものの、管理組合は全戸の同意を取り付けることが必要で、契約は一定期間継続しなければならない。

 全面自由化以降は、需要家のスイッチング(供給者変更)のニーズも多様化しており、個別の意向が反映される仕組みが求められる。スマートメーター(次世代電力量計)から得られる情報の利用拡大を図る上で、高圧一括受電との関係をどう整理するかも課題の一つになりそうだ。

 一方、一括受ガスについては、これまでガスメーターの保安上の問題などから認められてこなかった。ただ、政府の規制改革推進会議の答申を踏まえ、現在エネ庁のワーキンググループ(WG)で議論が進められている。

電気新聞2018年11月5日