電力各社の排出削減目標
電力各社の排出削減目標

 経済産業省は16日、「GXリーグ」参加企業の温室効果ガス排出削減目標値を公表した。GXリーグの第1フェーズ(2023~25年度)における排出量合計値や、25年度と30年度における排出量などを掲載した。データを公表した372社の30年度における合計直接排出量は4億8千万トン。13年度比で40%減にとどまり、国の目標となる同46%に届いていないため、経産省は情報を基に排出削減の支援策を検討する。追加の削減に向けて、GXリーグ未参加企業には参画を呼び掛ける。

 グリーントランスフォーメーション(GX)に取り組む企業が集うGXリーグの参加企業は568社。このうち数値がまとまった372社分の排出量をウェブサイト内の「GXダッシュボード」で公表した。データの提出は排出量取引参加の前提となる。

 ダッシュボードでは電気・ガス・熱供給・水道業、電気機械器具製造業など業種ごとに企業を整理し、各社のデータを開示した。公表により、環境行動に積極的な企業の評価を高める考え。環境目標の進捗をステークホルダーに確かめてもらう狙いもある。

 372社の25年度の直接排出量の合計値は6億2千万トンだった。今後は未公表企業からデータが届き次第、排出量目標値を開示していく。経産省としては、業種ごとに30年度までの排出削減の傾向を把握し、多排出企業を中心に排出削減の支援策を検討する。

 齋藤健経産相は16日の閣議後会見で、GXリーグの参加企業について製造業やエネルギー業界が中心とした上で、「運輸業の参加が十分ではない」と指摘。GX経済移行債による支援はGXリーグ参加が条件となるため、「参加率向上に努める」と述べた。

電気新聞2024年1月17日