北陸電力の松田光司社長、北陸電力送配電の棚田一也社長は10日、社長メッセージを全従業員に発信した。1日の能登半島地震の発生直後、北陸電力グループは停電や設備被害の復旧に向けた災害対策総本部を設置し、新年の社長メッセージを取りやめていた。両社長は今回のメッセージを通じてグループ一丸で災害対応に当たる心構えを伝え、総力を結集するために定めたスローガン「こころをひとつに 能登」=ロゴマーク=の共有を呼び掛けた。
両社長は冒頭、被災者に対するお見舞いの言葉を伝えた。スローガンは地域、グループと協力会社、復興を願うすべての人々と心を一つにする願いを込めて策定したと説明した。
災害対策総本部長を務める松田社長は復旧に当たるグループ従業員に「言葉で言い表せないほどの敬意の気持ちでいっぱい」とたたえ、「一日も早い復旧・復興に向けた思いを強くしながら、総本部長としても責任を強く感じている」と語った。
今回の地震は「我々がかつて経験したことのない未曽有の災害」と表現。電力流通設備や発電所の復旧対応、両社協力による後方支援の状況を伝えた上で「組織一体での力が必要」とし、スローガンの下に「お互いに協力し合って難局に対処したい」と強調した。
棚田社長は、停電復旧に全力を挙げる従業員や他社応援に感謝の意を示した。奥能登など被災地の現状について「配電設備の被害が甚大。今なお全容の解明には至っていない」と説明。土砂崩れなどで作業車両が現地に入れず、道路の亀裂や陥没もあることから「国や自治体、自衛隊と連携し、道路を啓開しながらの復旧作業を進めている」と語った。
断水も続き「現場作業をする方にとって大変厳しい環境」であり「多岐にわたる後方支援業務が必要不可欠」とし、全部門一丸で対応していると述べた。「『インフラを守る』強い使命感でグループの総力を結集」し、スローガンの下で難局に対処すると強調した。
メッセージは10日から1週間以上にわたり常時配信する。従業員は復旧対応などを優先しているため、広報部門は作業の合間や休憩時間に視聴するよう呼び掛けている。
電気新聞2023年1月11日
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