四国電力など9社は15日、香港に拠点を置く高級ホテル運営会社マンダリンオリエンタルホテルグループと協業し、香川県内2カ所でホテル事業を実施すると発表した。高松市に13階建ての都市型ホテル、同県直島に古民家風ホテルを設置し、海外富裕層を主なターゲットに周遊型の観光を促す。2024年夏の着工、27年夏の開業を予定している。四国電力としては初のホテル事業で、電力会社が5つ星クラスの高級ホテル事業を行うのも初となる。
ホテル名は「マンダリンオリエンタル瀬戸内」で、マンダリンとしては東京に続き国内2軒目となる。
四国電力のほか、阿波銀行、伊予銀行、サンケイビル、四国銀行、JR四国、竹中工務店、日本政策投資銀行、百十四銀行が出資して、事業主体の「四国まちづくり&おもてなしプランニング」(SMOP)を設立し、ホテルを建設・所有。運営をマンダリンに委託する。
四国電力はSMOPの過半を出資し、新規事業部の福家武・観光事業推進室長がSMOP社長を兼務する。
同日、高松市内で行った会見で福家氏は「ホテルを拠点に四国4県を訪れて頂くことで、交流人口や域内消費の拡大に貢献したい」と意気込みを述べた。
マンダリングループのフランチェスコ・チェファル最高開発責任者は「瀬戸内の景観やアート、文化は魅力的。長期間滞在して体験してもらえるようにしたい」と話した。
高松市内のホテルは、高松駅、高松港に隣接する「サンポートB2街区」に建設する。四国電力は22年4月、高級ホテルの誘致を前提に、同街区の取得について所有者の県と基本協定を締結した。25年9月頃の開業を目指していたものの、資材高騰による建設費の拡大などによって計画の見直しが必要になったため、開業が約2年ずれ込むこととなった。
施設は当初計画の19階建てから13階建てに変更。共通部分やバックヤードを削減して費用を縮小しつつ、客室数は当初計画の90室台を維持する。
直島のホテルは、伝統的な町並みが残る本村地区に2階建てのメーン棟と離れ3棟を設置、計22室を予定する。建設費の総額は250億円を見込む。
電気新聞2023年12月18日
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