東京電力エナジーパートナー(EP)は13日、毎月定額で太陽光発電を利用できるオンサイトPPA(電力購入契約)サービス「エネカリプラス」が賃貸集合住宅に初めて採用されたと発表した。不動産事業のスターツグループが首都圏で施工・管理する木造賃貸住宅に標準採用された。入居者は無料で太陽光発電を利用でき、光熱費の負担を減らせる。スターツグループは今後、自社で手掛ける年間約130棟(約千戸)の新築物件のオーナーに導入を提案する。

 対象物件は関東1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)でスターツCAMが施工し、スターツアメニティーが管理する2~3階建ての低層物件。スターツCAMが同日販売を開始した。3社は5月に業務提携していた。

 今回の仕組みでは、スターツCAMがオーナーにエネカリプラスを提案し、採用された場合はオーナーと東電EPが契約を結ぶ。パネルの設置はスターツCAM、建物を含めた管理はスターツアメニティーが担う。エネカリプラスのサービス料はスターツアメニティーが支払う。

 パネルの容量は平均12~20キロワット程度を想定する。発電電力を入居者が無料で利用することで、1戸当たり月4千円程度の光熱費削減が見込めるという。自家消費分の環境価値は東電EPが証書化し、電気と組み合わせてスターツグループに供給する方向で協議を進めている。一方、余剰電力は東電EPが無償で引き取る。

 東京都は2025年4月から年間延べ床面積2万平方メートル以上の住宅・ビルを都内に供給する事業者に対し、太陽光パネルの設置を義務化する新制度を導入する。スターツグループをはじめとする大手事業者は太陽光を利用する住宅の普及が求められている。

電気新聞2023年10月16日