東北電力は26日、新潟火力発電所5号系列(新潟市、LNG、10万9千キロワット)で水素混焼に関する実証を10月から行うと発表した。水素カードル(水素ボンベの集合容器)から供給する少量の水素を既存の燃料ガスと混合し、ガスタービンで燃焼させることで発電する。水素混焼率は1%程度(体積比)で、LNG使用量を抑えることにより二酸化炭素(CO2)を0.3%削減できる見込み。実証期間は約1年半を予定する。事業用ガスコンバインドサイクル火力発電所としては国内初の実証となる。

 実証は同発電所5号系列・第5―1号機(5万4500キロワット)で、10月中旬から2025年3月まで行う予定。水素混焼は10月中に2回程度実施し、その後は随時検討しながら実証を進める。水素混焼の知見や技術・設備的な課題を探り、26年度以降に予定している水素・アンモニアの混焼・専焼設備の実装検討に生かす。

 実証に当たり設備改造は行わないが、既存の燃料ガス配管に水素を供給する試験設備を新設する。水素ボンベ20本を組み合わせた水素カードルも置く。

 東北電力グループは21年3月に「カーボンニュートラルチャレンジ2050」を策定し、火力の脱炭素化を掲げた。水素・アンモニア混焼の実証に関しては24年度から同発電所で実施するとしていたが、早期の着手が可能と判断。前倒しして実証を開始することにした。

電気新聞2023年9月27日