壁面に太陽電池を搭載しZEB化する「光源之石」完成予想図

 ◆意匠に注目、24年末完成

 台湾電力は13日、西海岸中部の彰化県で洋上風力発電運転保守センターの起工式を開いた。同社の洋上風力発電設備50基以上の運転と保守の高度化を図る目的で建設し、2024年末までの完成を目指す。目を引くのはそのデザイン。オランダの著名建築事務所、MVRDVが設計を担当し太陽電池パネルを壁面に配置し、台湾初のZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)となる予定。台湾電力はうろこを持つアルマジロに似た希少哺乳類にたとえて、「発電するセンザンコウ」とPRしている。

 同センターは同社として初の再生可能エネルギー専用の運転保守拠点。「光源之石」と名付けられた。全面に太陽電池モジュールをまとっており、年間発電電力量は100万キロワット時となる見通し。所内需要を完全に満たしエネ収支はプラスになるとしている。

 台湾電力は彰化エリアで21基で構成する洋上風力第1期(計10万9200キロワット)を21年に運開した。現在、25年の運開を目指し、計29万4500キロワットの第2期の造成を進めている。センターはそれらの保守、管理を担う。技術者の拠点となるだけでなく、補修設備を備え、スペアパーツの保管などにも使われる。

電気新聞2023年8月21日