現在の三居沢発電所。建屋は明治建築の面影を今に伝えている
現在の三居沢発電所。建屋は明治建築の面影を今に伝えている

 日本の水力発電発祥の地として知られる仙台市三居沢の歴史と魅力を知ってもらおうと、東北電力グリーンプラザ(仙台市)で「『水と森の三居沢』~水力発電の歩みとその周辺~」と題したパネル展が開かれている。1888年7月に、東北地方に初めて電気のあかりがともってから130年を迎えたのを記念して、東北電力宮城支店(宮本保彦執行役員・支店長)が企画。三居沢発電所(千キロワット)の歴史や特徴、発電所周辺のレジャースポットなどを紹介している。8月19日まで開催。入館無料。

 三居沢は、仙台市街を流れる広瀬川河畔に位置する。この地に工場を建てた紡績会社が水車発電機を導入し、電灯とアーク灯をともした。

 パネル展では、初めて電気のあかりを目にした市民が驚き「きつね火だ」と大騒ぎになったというエピソードや、余剰電力を利用して国内初のカーバイド生産に成功した歴史などを紹介している。

 明治時代の建築様式の面影を今も残す発電所は、国指定有形文化財に登録されているほか、近代化産業遺産や機械遺産などにも認定された。歴史的に高い価値があると同時に、“現役”の発電所として現在も仙台市民に電気を供給し続けている。

 青葉山の麓に建つ発電所周辺は緑が多く、手軽に散策できるルートとしても人気。「三居沢不動尊」や「三段のお滝」、広瀬川にかかる「牛越橋」の由来なども紹介している。

 パネル展と併せて、発電所に隣接するPR施設「三居沢電気百年館」を訪ねてみるのもおすすめだ。

電気新聞2018年7月27日