◆全4燃種マイナス

 JERAと電力8社の2023年度第1四半期(4~6月)燃料消費量は、全4燃種が減少した。過去10年ではLNG、石炭が最小を更新。原子力稼働率の向上やJERAの販売電力量減が響いた。LNGは前年同期比14.9%減の722万2千トン、石炭は同16.9%減の1018万7千トンといずれも2桁のマイナスだった。

 LNG消費量は東日本大震災後で初めて700万トン台まで落ち込んだ。再生可能エネルギーの導入拡大や原子力利用率の向上が影響した。1千万トン割れは5年連続。ピーク時の1319万3千トン(12年度)と比べ45.3%減となった。

 原子力利用率が大幅に向上した九州は、LNG消費量が前年同期比40.0%減と大きく減った。逆に増加したのは東北、北陸の2社。東北は、昨年12月に上越火力発電所1号機が営業運転を開始した影響で増えた。

 石炭消費量も大幅に減った。消費量が1千万トン台となったのは12年度(1019万3千トン)以来。ピークだった17年度と比べ22.1%減となった。消費量が増えたのは、東北、四国の2社。東北は、昨年3月の福島県沖地震の影響で停止していた原町火力発電所の稼働が要因。四国は、西条発電所1号機の試運転分が計上されて増えた。

 重油消費量は、前年同期比36.8%減の42万キロリットルだった。消費量が増えたのは、北海道、JERA、中国、九州、沖縄の5社。そのうちJERAは前年同期比4.1倍の3万3千キロリットル。経年火力の稼働が要因とみられる。

 9社のうちLNGと石炭の消費量が最大のJERAは、販売電力量の減少に合わせて消費量も減らした。LNGが同13.5%減の478万9千トン、石炭が同10.6%減の404万4千トンだった。

電気新聞2023年8月2日