新1~3号機が全て営業運転を開始した姉崎火力

 JERAは1日、姉崎火力発電所新3号機(LNG、64万6900キロワット)が営業運転を始めたと発表した。夏季の電力安定供給に貢献するため、当初想定から約1カ月前倒しで営業運転にこぎ着けた。ガスタービン・コンバインドサイクルで、発電効率は世界最高水準の約63%(発電端、低位発熱量基準)。先進的な発電所の運営を実現する「デジタル発電所」(DPP)のショーケースとしても活用する。

 姉崎火力のリプレースはJERAが2016年9月に発表し、翌10月に環境影響評価の手続きを始めた。LNGなどの汽力発電所だった旧1~4号機(合計240万キロワット)を廃止し、新1~3号機(約194万キロワット)を新設。今年に入って新1号は2月、新2号は4月にそれぞれ営業運転を開始した。LNG汽力の旧5、6号機(各60万キロワット)は長期計画停止中。

 姉崎新3号は、1日午前0時に営業運転を始めた。着工は2020年2月。ガスタービン、ボイラー、蒸気タービンは三菱重工業製、発電機は三菱電機製を採用した。新1~3号機合計で年間のLNG消費量見通しは約190万トン。

 新型コロナウイルス感染拡大で海外からの部品供給停滞も予想される中、出荷港の変更や輸送船舶の追加手配などで影響を最小限に抑えた。また、タービン軸受け部などの潤滑油に通常より火がつきにくいものを採用し、消防法上の手続きを簡素化。こうした取り組みにより、工期を1カ月前倒した。

電気新聞2023年8月2日