家庭用電力小売サービスを巡り、新電力と旧一般電気事業者の間で顧客の評価差が縮まっている。「利用料金の適切さ」「サービスの信頼性・安定性」を中心に新電力への評価が低下する一方、旧一般電気事業者への評価が高まっているからだ。2023年も依然として新電力の方が評価が高いが、両者の評価値は急速に接近している。サービス別では東日本部門で東京ガス、西日本部門で九州電力の評価が最も高かった。

 NTTコミュニケーションズ子会社のNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(東京都品川区、塚本良江社長)が20日、アンケート調査の結果を公表した。顧客がサービスを友人や同僚に推奨するかどうかを示す指標「NPS(ネット・プロモーター・スコア)」を用いて調べた。

 新電力と旧一般電気事業者の評価差は20年が25.5ポイント、21年が14.9ポイント、22年が13.7ポイントと、縮小し続けている。23年は3.8ポイントと大幅に縮まった。新電力の評価低下と旧一般電気事業者の評価上昇が継続している。

 サービス別では、東日本部門は1位が東ガス、2位がENEOSでんき、3位がauでんき。西日本部門は1位が九州電力、2位が大阪ガス、3位が中部電力ミライズだった。東ガスは「お客さまの声に耳を傾ける姿勢」や「申込時の手続きのスムーズさ」、九州電力は「企業の信頼性・ブランドイメージ」や「利用料金の適切さ」が高評価を得た。

 昨年と同様に「企業の信頼性・ブランドイメージ」「サービスの信頼性・安定性」が評価につながっていることが分かった。「自分に合った契約プランがあること」や「契約プランがシンプルで分かりやすいこと」も重視されている。

 調査は各社の契約者を対象に6月14~19日に実施した。対象は沖縄電力を除く旧一般電気事業者9社、東ガス、大ガス、ENEOSでんき、auでんき、ソフトバンクでんき、J:COM電力。有効回答者数は7595人だった。

電気新聞2023年7月21日