道路の地下を横断する現場などで効果を発揮する管路掘削機
道路の地下を横断する現場などで効果を発揮する管路掘削機

 関電工は電線を通す地中管路を効率良くくりぬいて形成する高機能掘削機を開発した。地質を問わず、土も埋設構造物のコンクリートも、一つの機械で掘り進められる。機材一式は従来よりコンパクトになり、掘進の起点となるマンホールなど狭い空間での使い勝手を高めた。

 掘削機の名称は「アリトンmini」。道路を地下で横断するような管路をつくるのに効果を発揮する。こうした管路は途上に土もあればコンクリートもある。土はシールドの刃をゆっくり回して掘り、コンクリートについては回転数を土の約5倍という高速回転にして掘進する仕組み。動力となるモーターの高度な回転制御がこの機能を実現した。

 全長が1.5メートルほどあった従来機に対し、1メートルを切る約95センチに縮めたのも特長だ。狭いマンホールに吊り下ろしたり、掘削用に設営したりする際の扱い安さが高まる。

 掘削機は直径5センチから13センチの管路に適用できる。長さ15メートルの管路をつくるのに要する時間は約8時間。

 地下をくりぬく施工の強みは、地上の開削を要しないこと。特に道路横断の場合、地表の開削から電線の敷設、残土の埋め戻しという一連の作業は交通規制を伴う。作業にも多くの人を必要とした。使い勝手の高い掘削機は、こうした工事が難しい現場のニーズから生まれた。

電気新聞2018年5月21日