経済産業省は24日、FIT(固定価格買取制度)とFIP(フィード・イン・プレミアム)制度に基づいて電気料金に上乗せする賦課金の2023年度の単価を1キロワット時当たり1.40円にすると発表した。22年度比で2.05円の減。12年度のFIT導入から単価が下がるのは初めてとなる。再生可能エネルギーの販売収入となる回避可能費用が電力市場の価格高騰で増加し、FIT、FIPの国民負担分が減少したことが単価の下げ要因となった。

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 月400キロワット時を使用する標準的な家庭の年間負担額は、22年度比9840円減の6720円になると試算した。新単価は5月の請求分から適用される。

 賦課金単価は、まず再エネの買い取り費用総額から回避可能費用を差し引いた額を国民負担分として算出。その金額を販売電力量見込みで割って単価を導き出す。

 22年度の場合は、買い取り費用が4兆2033億円、回避可能費用が1兆4609億円。差し引いた約2兆7千億円を国民負担分として算定。販売電力量を7943億キロワット時と想定し、家庭、企業などから1キロワット時当たり3.45円の賦課金を徴収していた。

 23年度は買い取り費用見込みを4兆7477億円、回避可能費用は22年度の電力市場価格の推移を踏まえて、3兆6353億円と想定。差額を約1兆1千億円と算定し、販売電力量想定を7946億キロワット時に設定して、賦課金単価を出した。

 FIT賦課金の単価は12年度の0.22円から開始。買い取り費用の高まりに伴って単価も上昇し続け、16年度には2円台、21年度には3円台に入っていた。

 同日はFIT、FIPにおける24年度の買い取り価格も発表。新たに設ける屋根置き型太陽光発電の買い取り区分(10キロワット以上)については、1月の有識者会合で示した通り、1キロワット時当たり12円とした。屋根置き型の早期設置を促すため、12円の買い取りは23年10月から始める。

電気新聞2023年3月27日