JERAは22日、ベルギーの洋上風力発電大手、パークウインドを買収すると発表した。子会社を通じ、同社の発行済み全株式を親会社のヴィリアエナジーから取得する。取得額は約2200億円で、株式売買契約を同日締結した。許認可手続きなどを経て、2023年中に株式取得を完了する見込み。買収を通じ、洋上風力開発に加え、将来はグリーン水素やアンモニアなど低炭素燃料の調達・製造も視野に入れる。

 パークウインドは12年に設立され、従業員は約130人。10年以上にわたって欧州で洋上風力事業を展開しており、豊富な開発・建設・運転の経験を持つ。

 現在はベルギーで4プロジェクト(計77万1千キロワット)を運営し、同社の持ち分量は42万キロワット。ドイツでは建設中のプロジェクト(25万7千キロワット)があり、持ち分量は18万キロワットになる。さらに、持ち分量計452万6千キロワットに上るプロジェクトを欧州を中心に展開している。

 JERAは、今回の買収について「パークウインドが保有する欧州での洋上風力のノウハウや知見を、JERAが既に参画する事業やアジアを中心とした今後の事業開発に活用できる。パークウインドのさらなる企業価値向上と、JERAのグローバルな再生可能エネルギー事業展開の加速を実現していく」とコメントした。

 JERAの22年末時点での再エネ開発量は、建設中を含めて約222万キロワットだが、今回の買収によって約280万キロワットになる。

 JERAは25年までの再エネ開発目標を500万キロワットと設定し、主に海外で風力や太陽光発電に取り組んでいる。22年にはベトナムの再エネ大手、ザライ電力(GEC)の発行済み株式約35.1%を約150億円で取得した。

電気新聞2023年3月23日