内野席から望むグラウンド

 北海道電力は7日、北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北海道北広島市)に1月から提供しているエネルギーサービスの概要を現地で報道陣に公開した。ヒートポンプやガスコージェネレーションなど数々の設備を設置・運用し、球場で使うエネルギーの調達から供給まで一手に請け負っていることを北海道電力の担当者が説明した。

 新球場は日ハム対東北楽天ゴールデンイーグルスの開幕戦が行われる今月30日に開業する。北海道電力はESP(エネルギー・サービス・プロバイダー)として、新球場を運営するファイターズスポーツ&エンターテイメントと、1月から2037年12月まで15年間のエネルギーサービス契約を結んでいる。北海道電力のESP事業では最大規模だ。
 

数々の設備運用

 
 同社は空冷ヒートポンプチラーやガスコージェネレーション、吸収式冷温水発生機などのエネルギー設備を設置。新球場の照明や冷暖房、給湯などに必要な電力、ガス、熱、水を一括で供給している。設備状態やエネルギー利用状況を常時把握し、省エネルギーにつながるよう設備を運用する。屋外の駐車場には電気自動車(EV)充電器を置き、EVでの来場にも対応した。

新球場に電力と熱を供給するガスコージェネ。2台設置されている

 

BCPにも貢献

 
 同社は新球場のBCP(事業継続計画)にも貢献している。電力供給面では特別高圧の送電線2回線(本線と予備線)を引き込んでおり、災害で本線が故障しても予備線から電力を供給できる。2回線ともに故障した場合も、非常用発電機やガスコージェネから電力を送り続けられる。

 新球場へのエネルギーサービスを手掛ける北海道電力の深井則博・総合エネルギー事業部ガス&ソリューショングループリーダーは「エネルギーの最適な運用を考えながら、来場されるお客さまの快適性を損なわず、省エネで環境に優しい球場づくりを北海道日本ハムファイターズの皆さんと目指していきたい」と意気込んでいる。

電気新聞2023年3月8日