電通は電力・ガス小売り全面自由化からそれぞれ2年と1年がたつことを踏まえ、全国20~69歳の男女5600人を対象に意識調査を実施した。全面自由化の認知率は電力が92.3%、ガスが77.4%とともに高かったが、「全面自由化の内容まで知っている」と答えた人は電力が25.1%、ガスが15.2%と、大きな開きがあった。昨年6月の前回調査も同様の傾向を示しており、全面自由化への消費者の理解が伸び悩んでいる。

 自由化の意識調査は6回目。昨年12月、沖縄を除く全国9エリアの消費者にインターネットを通じて聞き取った。電力は全面自由化の認知率が前回調査に比べ0.7ポイント増、内容まで知っていると答えた割合が同0.5ポイント増とどちらも微増だったが、ガスは全面自由化の認知率が同2.7ポイント減、内容まで知っている割合が同0.9ポイント減といずれも低下した。

 電力の購入先を全面自由化で実際に変更した人は11.4%、料金プランを変更した人は7.9%で、いずれも前回調査より1ポイント程度上昇した。エリア別の購入先変更率は関東が19.0%で最も高く、関西が17.6%、北海道が15.0%で続いた。料金プラン変更率は中国が17.2%で最多。中部15.0%、四国12.4%の順だった。

 ガスは購入先の変更率が7.8%で、前回調査に比べ3.1ポイント上がった。エリア別では関西が12.8%と最多で、中部9.5%、九州8.5%と続いたが関東は2.0%にとどまり、「地域による違いが色濃く存在する」とした。ガスの全面自由化浸透度もいまひとつで、自由化から約半年経過した時点の電力とガスの購入先変更率を比べた場合、電力の方が高かった。

 電力の購入先を変更または検討する意向がある人は合計で55.8%。ガスは52.4%で前回からほぼ横ばいで推移した。

電気新聞2018年3月29日